淋病治療の大原則
●淋病治療の大原則
淋病は、発見が早くて適切な治療を受ければ比較的簡単に完治させることができますが、時機を失したり、間違えた治 療方法だと、なかかなか治しづらくなってしまい、患者様は大変つらい思いを強いられてしまいます。その責任の一端は医者にあります。淋病とクラミジアはよ く似た病気であり、約2割〜4割がお互いを合併しています。この二つは治療の方法がまったく異なります。1990年代初頭「淋病とクラミジアの両方に効 く」といわれたニューキノロンの乱用によって、事態はさらに悪化してしまいました。治療するつもりが病気を進化させてしまったのです。そのような失敗を二 度と繰り返さないためにも治療の基本を忠実に守った治療をしなければなりません。 |
|||||||
淋病治療の大原則-その① パートナーと同時治療の原則 | |||||||
淋菌は感染してほぼ1週間以内に症状を表しますが、約半分のひとにはほとんど症状が出ません。問題のあった性行為がいつだったのかわかっていれば、その 後パートナーに感染を移してしまったかどうかをよく考えて、もしもその可能性があるならパートナーも治療を受けてもらいましょう。性病は自分ひとりだけの 病気ではなく、性の環境汚染であることをよく理解してください。 |
|||||||
淋病治療の大原則-その② 短期決戦の原則 | |||||||
反対にクラミジアは「時間依存的効果」ですから、有効血中濃度を2週間維持していなければなりません。すなわち2週間毎日薬を飲み続ける必要があるのです。淋病とクラミジアが合併する場合では、はじめに淋病の治療を優先させ、その後じっくりクラミジアを治療します。
|
|||||||
淋病の治療 実践例 | |||||||
著者のもとには「ほかの施設で治療されていたがよくならない」 とか、「薬をやめたら症状がぶり返した」という患者さんがあとを絶ちません。再発性の場合はパートナーの治療が十分であったか、よく問診で確認しなければ なりません。せっかくパートナーが医療機関を受診しても「検査で陰性だったから治療の必要はない。」と、治療してもらえずに帰されてしまうケースも目立ち ます。淋菌やクラミジアはパートナーと同時に治療しなければ治したことにはなりません。そうでない場合は、前医の処方やパートナーに出された処方内容を確 認します。時として驚くような処方をされている先生もあります。ただし、そのときの現場の判断であった可能性もあるので、一概には批判できません。以下に そのようなひとたちが受けてきた治療例を示しました。患者様を健康被害から守るために、このような治療をする医療機関は特に大学病院に多いことをあえて公 開いたします。
|